はじめに
「監査対応が不安…」「情報漏洩ってどう防ぐの?」
そう思ってIT統制に着手しようとしても、「何からやればいいのか」が見えづらいのが実情。
特にベンチャー企業では、属人的な運用や“なんとなく”のセキュリティ対策で動いていることも少なくありません。
この記事では、「IT統制ってなに?」「なぜ必要?」「何からやればいいの?」という疑問に答えるべく、よくあるベンチャー企業の事例も交えながら解説します。
IT統制とは?
IT統制とは、企業のIT環境や情報システムに関するリスクを管理・コントロールする仕組みのこと。
主な目的は以下の3つです。
- セキュリティ事故の予防
- 法令・規制(例:J-SOX法)への準拠
- IT業務の属人化を防ぐ体制整備
言い換えれば、「会社を守るためのITのガードレール」とも言えます。
ベンチャー企業でよくあるIT統制の課題(実例)
課題 | よくある実情 | 問題になる理由 |
---|---|---|
アカウント管理が杜撰 | 退職者のGoogleアカウントが残ったまま | 情報漏洩リスク、監査NG |
SaaSが乱立 | 各部署が勝手にツールを導入 | データの一元管理ができず、脆弱性管理が困難 |
情報資産台帳がない | どの端末が誰のものか把握していない | 紛失時の対応不可、資産管理が不透明 |
権限設計が未定義 | 管理者権限が全社員に付与されている | 操作ミスや不正操作のリスク |
IT統制が必要な理由
- 監査対応(IPOや資金調達時)に必須
→ 特にJ-SOX対応企業は、IT統制の不備で上場延期するケースも。 - 情報漏洩リスクの回避
→ 顧客・社員情報が漏れれば、信頼損失や訴訟の可能性も。 - ITガバナンスの強化
→ 情報資産を“管理できる会社”が評価される時代。
IT統制コンサルタントは必要か?
結論:専門家の力を借りるべき
- 自社だけで「統制が取れているかどうか」を判断するのは難しい
- J-SOX対応や監査法人とのやりとりなど、経験と知識が必要
- 外部からの視点が入ることで「見落とし」に気づける
初期フェーズではスポットでもOKなので、外部コンサルの知見を活用する方が結果的にコスパが良いです。
まとめ
✅ IT統制は「攻め」の仕組みではなく「守り」の要
✅ 属人化を防ぎ、会社全体の透明性を高める仕組みづくり
✅ コンサルの活用で、抜け漏れない体制設計を
ベンチャーだからこそ「早めの体制づくり」がカギになります。
コメント